企業CSR・社会貢献活動
花王株式会社
花王は、「よきモノづくり」を通じて、豊かな生活文化の実現に貢献できることを使命としています。"よきモノ"をお届けする事業活動とともに、よき企業市民として、社会に貢献することを目的に社会貢献活動に取組んでいます。
麻生多摩美の森の会
市民と行政の連携による緑化の推進
- 麻生多摩美の森の会の活動拠点である「麻生鳥の
さえずり公園」は、川崎市が7つの区に1つずつ造る「市民健康の森」計画の一環として麻生区に設けられたものである。
市民健康の森とは、身近な緑の回復と創造に向けて、市民・行政の連携で緑化を推進し、 "地域コミュニティ"の再生を図ることを目的としている。
小田急線読売ランド前駅から10分余り、住宅地を抜けて蕎麦屋の駐車場脇から多摩自然遊歩道に出たところにあるのがこの「麻生鳥のさえずり公園」だ。多摩丘陵特有の傾斜地と平坦地からなっている1.2haほどの公園を管理する同会は、1998年に市の主導で公募によって集まったメンバーにより検討委員会が発足、推進委員会を経て、2001年3月に計画を発表、以後1年間の準備活動の後、2002年4月の設立総会で正式に発足した。
基本構想として「里山の自然環境の保全と創造」、「健康とリクリエーションの場つくり」、「地域コミュニティづくり」、「行政と協働作業により段階的に成長する『市民健康の森』づくり」を掲げている。行政をパートナーとしている団体らしく、安全作業の推進や、作業実施時の配慮に関する取り決めがきちんとなされているのも大きな特徴だ。 - 麻生鳥のさえずり公園
楽しさを力に
麻生多摩美の森の会は、活動を通じて、農業経済の一環であった里山の伝統と近代的な公園が合わさった緑豊かな環境を、次世代に受け継いでいくことを目指し、里山環境の保全育成のための植樹や、篠竹、雑草の刈り込みなどを行っている
。
会員はほとんどがニュータウン入居開始時以降から入ってきた区内在住の人で、主に60代後半の退職後の男性と主婦の方々で構成されている。定例活動日の活動時間は2時間ほど。その日の活動次第で延長することもある。「肉体労働だから無理はしません」と、取材に応じてくださった副会長の平林謙三さんは語る。
こういった緑地をフィールドにしたボランティア団体にありがちな、「人手不足」の解消が麻生多摩美の森の会にとっても課題となっているものの、定例活動はあくまで自由参加。強制はせず、「楽しくやりましょう」というスタンスが会のさまざまな活動を支えている。
地域ぐるみの活動を目指して
- 麻生多摩美の森の会が力を入れている、地域向けイベントの「植樹祭&収穫祭」では、芋煮会や演奏会など内容も充実しており、時には200名を越える多くの参加者と交流し、コミュニティ形成の場を提供している。
年4回の機関誌や写真集を発行したり、市の広報誌やタウンニュースへの掲載などもされているが、こういったイベントの開催も、団体の広報活動として一役をかっていて、団体が地域から認知され、理解協力を得ることに大きく寄与している。町会から寄付を受けるなど、地域ぐるみで活動を支えることにも成功していることの理由がここにあるのではなかろうか。
また、隣接する他のボランティア団体と資材・道具・智恵の貸し借りをするなど、他団体との交流・協力も活発に行われ、大きな強みとしている。 - 「植樹祭&収穫祭」など、地域向けイベントも多彩
豊かな緑を次世代へ
もう一つの特徴的な活動である小学校の総合学習への協力の意義も大きい。子どもたちに農作物の学習や山の探検、山の恵みを使った工作など実に様々な体験を提供し、森の豊かさを五感で体感して感性を磨いてもらい、豊かな心を育んでいる。
現場でも教室でも、いろいろな場所・機会を通じて、地域の子どもたちどうしの交流を深め、次世代の人たちに伝承していく役割をしっかりと果たしている。
首都圏に暮らす子どもでも、小さい頃の緑に触れ合う体験の中から自然に対する愛着や大事にしたい気持ちが育まれ、緑を守る力につながっていくよう、これからも麻生多摩美の森の会の活躍に期待したい。